刑事事件におけるヤメ検弁護士とは

 

検察庁

ヤメ検とは

弁護士は司法試験に合格をし、登録をすることで名乗ることができます。一方、検事や裁判官もまた同じ司法試験に合格し、それぞれの職務を果たします。言い換えれば、同じ司法試験を合格してるからこそ、弁護士であろうと検察官であろうとどちらでも務まるとも言えます。そうした背景もあり、検察官を辞め、弁護士登録をする、いわゆるヤメ検が多く存在します。ヤメ検は定年退職を契機に退官した検察官が登録だけしておこうということで、実際に転身するようになります。ここで注目したいのはヤメ検の実力と刑事裁判で利用できるかどうかです。

ヤメ検の実力

ヤメ検の実力は、どのようなことをしてきたか、何年やってきたかということでかなり大きく変わります。例えば、検察官として多くの事件を担当してきたような人は当然刑事事件の流れを熟知しており、何をされたら検察官が困るかというのを知った上で弁護を行うため、その力量は相当なものです。特に、窃盗や強盗など身近で起こり得そうな案件をこなしているような人ほどよくわかっています。一方、エリートと呼ばれる検察官は現場から遠いところにいる期間が長くなるため、たとえ高級官僚だったとしても弁護の能力ははっきり言って微妙です。

一方、検察官になって数年で辞めてしまうような人は普通の弁護士と大して変わりがないという声も多くあります。事件らしい事件をさほど経験しないまま辞めてしまうため、キャリアとしてはまだまだ浅く、ヤメ検としてのアドバンテージはあまりないのが実情です。ここで目安となるのがどこまで出世をしたかというものです。8年以上検事を務めると出世をするようになっており、そこまでの階級になったということはそれだけ経験を積んだことを意味します。こうした経歴がオープンになっている場合には、その人に任せるというのもおすすめです。

検察官の忖度はあるのか?

刑事事件で気になるのは、検察官が起訴をするかどうかという部分です。すると、検察官が自分の部下だった、知り合いだったという場合に、裏で通じててなんとかしてくれるのではないかと素人は考えがちです。しかし、実際そのようなことはまずあり得ない話であり、期待すべきことではありません。手の内を知っているのはお互いですが、検察官時代に相当細かく事件をチェックしていて、痛いところを容赦なく突いてくる人だというのを知っていれば、相手はむやみに起訴はしません。起訴をして無罪になることが検察官にとって負けであるからです。

刑事事件はヤメ検にとって専門

刑事事件はヤメ検にとって専門のようなものであり、これしか引き受けない人も多くいます。逆に言えば、民事事件はほとんどしていないため、不慣れであるとも言えます。刑事事件に巻き込まれた場合にはとても頼りになる存在なのは言うまでもありません。見るべきポイントも明確であり、あとは現場経験がどれだけあるか、そして担当案件において起訴をどれだけ回避しているか、執行猶予をどれだけ掴み取ったかというのを知ることで質のいいヤメ検に弁護を依頼することができるようになります。

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