痴漢の罪に問われてしまったら刑罰はどの位になるのか

   2017/10/13

痴漢刑罰

痴漢の刑罰

痴漢の罪に問われた場合、刑罰はどれ位になるのかというと、一般的に初犯であれば迷惑行為防止条例違反で略式起訴されて罰金が科されるだけで済みますが、常習犯で悪質とみなされた場合は強制わいせつ罪として正式に裁判になり、負けてしまえば懲役が科される可能性があります。

痴漢で有罪になると、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。しかし悪質な強制わいせつと見なされた痴漢は6ヶ月以上10年以下の懲役と刑罰はより重くなっています。

つまり迷惑行為防止条例違反と強制わいせつでは刑罰の重さが全然違うという事になります。そして痴漢事件では被害者がいるので、裁判で執行猶予をとるには被害者と示談を成立する事が大事になってきます。被害者との間で示談が成立し、相手から許しを得る事が出来れば、訴えを取り下げてもらったり、執行猶予になる可能性も高くなります。

罰金刑と懲役刑

痴漢の場合、初犯であればほとんどのケースで罰金刑となりますが、再犯であればほぼ懲役を受ける事になります。またたとえ初犯であっても事件の重大性や悪質性が高く、被害者との示談成立もなされていない場合は懲役になる事も充分あります。

迷惑行為防止条例違反と強制わいせつの違い

では迷惑行為防止条例違反と強制わいせつの違いはどこなのかというと、実は具体的な記述はありません。その為、過去の判例から推察するしか方法はありません。過去の判例を見てみると、服の上から被害者をさわる程度の痴漢であれば迷惑行為防止条例違反になりますが、服の中に手を入れて直接肌をさわると強制わいせつになるという傾向が多いです。

また迷惑行為防止条例も全国の地方自治体によって多少の刑罰の違いはあり、罰金が少ないところでは5万円程度のところもあれば、最高で100万円といった厳しいところもあります。しかしこうした地域格差は次第になくなりつつあり、大体ほとんどの地方自治体で初犯であれば50万円以下の罰金、再犯の場合は6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金という形になってきています。

このように刑罰だけを見てみると、迷惑防止条例違反は罰金が主なので、一見強制わいせつ罪より軽いと見られがちですが、一方で厳しい面もあります。それは迷惑防止条例は親告罪では無いという事です。

親告罪と弁護士

親告罪であれば、優秀な弁護士を雇えば被害者と示談を成立させて訴状を取り下げてもらう事も出来、事件そのものを無かったことにしてくれる事も可能です。しかし迷惑防止条例にはそれがないので、一度警察が事件を引き受けたら、たとえ被害者が被害届を取り下げたとしても何かしらの刑事処分が決まるまでは刑事手続きが止まる事はありません。

だからといって被害者との示談交渉が全くの無意味という訳ではありません。示談が成立すれば不起訴処分になる可能性も高くなりますし、仮に起訴されて裁判で負けてしまっても、罰金額を少なくする事は出来るので、被害者には誠意を持って示談交渉はする必要があります。

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